第1回:国語の解法の掟(文章読解問題の基本的な解法のルール・テクニック)

はじめに

中学入試、高校入試、大学入試いずれにしても、国語の問題を解く際に当然知っておくべきルールがあります。私たちの世代は、塾・予備校の授業・講義でもこれを指導してくれた先生・教師は少ないです。現在はかなり増えたとは思いますが、それでも担当している子どもたちに確認すると「知らない」「初めて聞いた」と言われることも多いです。実際、算数・数学と異なり、100%使える完璧な裏技・テクニックは少ないですし、入試問題を作る学校側の教師、先生側も「小手先のテクニックで良い点を取る生徒はダメだ」とお考えの方も多いです。でも、知っているか否かで得点が変わるという現場実感に基づいて優良な情報は発信していきたいと考えています。

超基本から始めていくので、しばらくは私立中学入試を受験予定の小学生、高校入試をする中学生向けの内容が多くなります(大学受験をする高校生でも、知らないと損をする内容がたくさんあると思いますが…)

では、始めます! 第1回、国語の解法の掟(文章読解問題の基本的な解法のルール・テクニック)その1です。

そもそも、国語の文章読解問題(知識問題を除く)の得点アップは、

①「語彙力(ごいりょく)」のアップ

→ 漢字の読み、言葉の意味をどれだけ知っているか、ということ

② 文章の「読み慣れ」(「書き慣れ」)

→ 読書でも国語の文章問題でもいいので、それなりの読む時間、量を確保すること
記述問題が多く出題される入試を受ける場合は書く時間、量も確保すること

③「解法の掟(おきて)」を習得しておくこと

→ 文章の読み方、問いに対する考え方、解法のルール・テクニックを習得すること

にかかっていると確信しています。ひたすら解いても効率が悪い上に、場合によっては成績が上がらないまま国語嫌いにつながってしまうこともしばしばです。(ちなみに「掟(おきて)」という語を用いているのは、他に使用している方がいない語句に変えたかったからです。深い意味はありません。)

上記のうち、①②については、実際に担当した生徒さんや保護者の方と相談して方針を決めていきます。2~3か月ごとに成績や現状を分析して、成績に変化が見られない場合、効果が表れていない場合は別途手を打ちますが、基本的に語彙力アップのために何をするかは重要です(文章を読む機会は塾、家庭教師で比較的確保しやすいのに対して、語彙力アップは塾、家庭教師ともに弱いところが多いため)。

よく「本を読め」「たくさん問題を解け」というアドバイスを聞きますが(別に間違っているとまでは言いませんが)長年、それを実行しても効果が薄い、成績が上がらない、という相談をたびたび受けてきていました。私が感じるのは「10代の子どもたちは好きなことであればあるほど吸収力が高い(乾いたスポンジのようだ)」ということ。逆もまた然り、です。つまり、読書や国語の問題を嫌々解いているだけだと、なかなか語彙力アップにはつながらないのです。ですので、私は「お子さんが好きなもので活字にできるだけたくさん触れさせてください」というアドバイスをすることが多いです。

長くなってしましましたが、①についてはお子さんの事情に合わせなければならないことが多いので「これで完全に解決します!」といったものはここでは書けません。(コメント欄やメールでご相談ください。実際にお申し込みがあれば直接お話しすることもできます。)

掟1 国語文章読解問題の解法の大原則

国語の文章問題の答えは、必ず本文の文章の中に「答え」か「手がかり(ヒント)」がある!

掟2 国語文章読解問題の答えの探し方の基本

① ──線部を含む「一文」

② ──線部を含む「段落」

③ ──線部の「直前・直後の文・段落」

→上記の①②③からとりあえず探すこと。ひとことでいえば、──線部の「近く」をまずは探すこと!そこに「答え」か「手がかり(ヒント)」がある。もちろん、ないときもあります。え!?んじゃ、意味ないじゃん!?

そんなことはありません。上記①~③に「答え」か「手がかり(ヒント)」がある場合、その問題の正答率は通常高いです。つまり、間違えてはいけない問題であることが多いのです。これはみんな分かってるんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。でも、大手塾の模試では、灘中などの最難関中学コースの生徒や、国語が得意なお子さんが悩む問題を出そうとしているせいか、上記①~③に「答え」も「手がかり(ヒント)」もない問題をたくさん出すところもあります。その結果、無意識か意識的にか上記①~③には「答え」も「手がかり(ヒント)」もないことが多いと思い込んでしまっている生徒もたくさんいました(これは進学塾に通っていながら小学校内で実施される基本的な国語のテストの点数も悪いお子さんが多かれ少なかれいることからも分かってもらえると思います)。

まずは、上の①から③で「答え」か「手がかり(ヒント)」を探すこと!!!小学生などの場合、上記のこまかい探し方が面倒なら、

──線部の前後5行ずつの合計10行

から探す、としてもかまいません。

というわけで第1回はここまで。第2回につづく…

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